衆議院本会議傍聴(2019年10月7日)

たまたま休みにあたったこともあり、衆院の代表質問に出かけた。2年ぶりになる。

11時ごろに国会議事堂前駅についたので入れるかなと心配したが、早いほうだった。とりこし苦労だった。本会議は14時から始まるというので、赤坂で昼食をとることにした。

とりあえずTBSを通りすぎ、店が並ぶあたりについたが何を食べようか浮かばない。赤坂・・・細田博之の家・・・以前に細田NHK政治マガジンで紹介していたイタリアン(https://www.nhk.or.jp/politics/salameshi/12233.html)に行こうか。地図アプリでさがすと自分の立っていた場所からわずか50メートルの場所だ。

「ピッツェリア・ギタロー」はにぎわっていたが、運よくすぐに座ることができた。細田が注文していた半熟卵とベーコンのピザを選ぶ。ピザだけで足りるかしら・・・と心配していたが、出てきたものはかなり大きい。先述の記事の画像をみると、細田はこれにパスタを加えているようで大食いだと思う。ピザが薄いためか行儀が悪いせいか、美しい食べ方はできなかった。カジュアルないい店で、また行こうと思った。

歩いて衆院の面会者受付所に戻ると、衛視が本会議の開会が遅れていることを知らせていた。本会議を待たされるというのは、国会傍聴でよくある。あせってもなにも動かないこの感覚を久々に味わう。

結局1時間ほど待たされ、本会議が始まった。最初に議場入りしたのは梶山弘志元地方創生相だった気もするが、違うかもしれない。赤沢亮正議員の蛍光色としかいいようがない黄緑色のネクタイがちらつく。先の内閣改造で起用された西村明宏官房副長官議席の氏名標を立てると、心なしかうれしそうに雛壇へ歩いた。林幹雄元経産相は笑顔で傍聴席に手を振り、渡嘉敷奈緒美議員は第3次小泉改造内閣組閣時の猪口邦子少子化相ばりに青い服装をまとう。ふと議席の配置を眺めると、演壇正面か3列目の議席は右端が石崎徹議員、ふたつおいて武井俊輔議員というお騒がせな並びだと気がついた。議場左側に目を移すと、日本維新の会・遠藤敬国対委員長公明党遠山清彦議員の議席に歩き、なにかを話していた。

大島理森議長が議場に入ると、国民投票法改正をめぐる発言のかどで野党議席からヤジが飛んだ。与党議席からは「ヤジるな!」と声。

最初の登壇者は立憲民主党枝野幸男代表。冒頭から大島議長にくぎを刺すと、与党議席からはヤジが飛ぶ。公明党議席では江田康幸議員が猛然と扇子をあおいでいる。暑いのか?

菅原一秀経産相の過去の発言を問う枝野代表。「私への質問で原発ゼロを発言された」と指摘すると野党議席から「オーッ」と合いの手。菅原経産相は首を左右にかたむける。雛壇では、枝野のほうを見ようとする北村誠吾地方創生相。さらに下をみると丸山穂高議員がニヤニヤしながら演壇を眺めている。

枝野代表は企業の内部留保や金融所得課税に話を移した。パチ・・・パチ・・・。えらく調子の外れた拍手が聞こえてきた。共産党議席志位和夫委員長がひとり拍手をしていたのだ。ここまでタイミングが違うと、拍手も一種のメッセージである。二党の“距離感”をうかがわせて面白い。そのあとにも志位委員長は“拍手”をしていた。雛壇では衛藤晟一沖北相が無限に書類に線を引いていた。線を引く意味あるのか。

下をみると山下貴司前法相が議席を立って誰かをさがしていた。閣僚を離れてすっかり“その他大勢”の風情だ。山際大志郎議員と言葉を交わしながらものすごい笑顔(ものすごい笑顔としか形容しようがない)を浮かべる石原宏高議員を脇に質問はゆうちょ問題に。立民議席から返り咲いたばかりの森山浩行議員が激しいヤジを飛ばす。この本会議では、森山議員のヤジが目立ち、はじめてそのヤジ将軍ぶりを知った。議場を出たのは維新・足立康史議員。扉では議場へ一礼。氏なりの国会への敬意、か。公明党議席では一心不乱に中野洋昌議員が本を読んでいる。

枝野代表があいちトリエンナーレ問題に言及するとヤジが激しくなったのは、ある種の与党議員にとりなにが台風の目なのかをうかがわせる。NHKのゆうちょ報道問題とからめて報道、表現の自由の意義を強調する枝野代表。「最大与党の皆さんも党名に掲げる『自由』と『民主』を真に大切であると思うならば、この危機感を共有できるはず」とどうにも冴えない皮肉。

安倍総理が答弁を始めた。枝野代表は報道の自由について言及していたが、「安倍政権への連日の報道をみてもわかる通り・・・」という答弁をする総理。自民党議席前方の杉田水脈議員らが拍手を送る。「報道の自由表現の自由は尊重されるべきことは言うまでもなく、憲法に基づいてしっかりと保障されていることは、『立憲』を党名に掲げる枝野議員ならばご理解いただけるものと思う」といつもどおりの切り返し。合間に答弁が進むうち、甲高い声のヤジが聞こえてきた。自席から枝野代表自身がヤジっているようだ。

つづいての登壇者は自民党二階派の番頭格、林幹雄元経産相共産党議席から志位委員長と穀田恵二議員が所用か退席する。冒頭から台風15号に触れ、細かに被害を説明する林氏に「くるぞ・・・」という議場の空気。通信障害をめぐっては「強靭な通信網整備が急務」、さらに「東京五輪を見据えたとき、公共交通機関の強靭化は喫緊の課題」という言葉が飛び出した。合間には「武田防災相は就任翌日に千葉県の被災現場を視察した」と自派閣僚のアピールも忘れない。そうしてたたみかけるように、「全国1741の自治体のうち、わずか115市区町村でしか策定されていない国土強靭化地域計画を早急に策定する必要がある。地方創生と国土強靭化を調和させることも効果的です」との大見得。国土強靭化を唱道する二階派ならではの芸術的な技倆である。議場をみると、すっかり髪が真っ白になった務台俊介議員。林氏が防災の重要性を訴えるなかでの登場は皮肉なタイミングである。

自民党公明党が連立を組んで20年を迎えたいま、この道のりは間違っていなかったことを心から実感する」としめくくった林氏。興味深い言葉である。公明党議席では相変わらず中野議員が読書にふけっている。

閣僚として初めて答弁に立ったのか?西村康稔経済再生担当相に自民党議席から「よーし!」とかけ声。つづいて小泉環境相が答弁に立つと、ひときわフラッシュがたかれた。小泉環境相にも「よーし!」。心なしか西村大臣より大きい気が・・・。

「ギチョーーーーー」。最後に「呼び出し」をする議事進行係は福田達夫議員。やや長いが、いい声だと思った。「本日はこれにて散会されることを望みまーーーす」。呼び出しを生で聞くと、久しぶりの国会傍聴も悪くない。